運動をした直後や次の日になって筋肉や関節が痛むことはよくあると思いますが、筋肉が微細な傷を負い回復していく過程での痛み(いわゆる筋肉痛)のようなものもあれば、もっと重大な筋肉や腱などの損傷を負っている場合もあります。
どんなに痛くても、「部活動などで試合を控えている」「せっかく身についたパフォーマンスを落としたくない」などの理由で休まない方が多く、結果としてさらに負傷部位を悪化させてしまうことも少なくありません。
自分では「このくらいすぐ治る」と思っていた痛みが原因で二度とそのスポーツが出来なくなる、そういったことはぜひ避けたいですね。
今回はそういったスポーツによる負傷(スポーツ障害)のひとつ『シンスプリント』について説明したいと思います。
1.シンスプリント
シンスプリントとは、「過労性脛部痛」「脛骨疲労性骨膜炎」とも呼ばれる症状で、脛(すね)の内側、その中でも下の方に疼くような痛みを感じるのが特徴です。
ランニングやジャンプを繰り返すことで 脛の内側の骨膜に炎症を起こすことが原因ですが、特に体力が低下したあとの運動やいきなり負荷の大きい運動をした場合に発症することが多く見られます。
マラソン選手や陸上競技の選手がなりやすい症状です。
こちらも成長期のお子さんに良く見られる症状ですが、オスグッド・シュラッター病と比較すると15歳以降に発症しやすい傾向があります。
また、足の底のアーチが少ない、いわゆる偏平足の方もなりやすい症状です。
※骨膜…骨の周りにある、骨の再生や成長・栄養補給をする結合組織の膜。
2.シンスプリントになってしまったら?
この症状もオスグッド・シュラッター病などと同じく使いすぎ(オーバーユース)が原因のため、使わないで十分な休養を取るのが一番です。
シンスプリントになってしまった場合、まずは痛みの原因になる運動を休止し安静にすることが第一です。
脛の内側をアイシングし激しい動きの運動はしないようにします。
症状が改善されるまでのコンディション調節は、プールでのエクササイズなど体重のかかりにくい運動やストレッチ程度にするようにしましょう。
マッサージも痛みが激しいときは強く行なわず、軽くなでる程度にしましょう。
3.シンスプリントを予防するには
急に激しい運動を行なうと発症の原因になりやすいため、軽い運動から段階を追って少しずつ始めましょう。
また、運動後はアイシングや痛くない程度のストレッチを行なうようにしましょう。
足底のアーチを支えるインソールなどを使って運動を行なうようにするのも予防効果が高いです。
とにかく痛みを感じたら、無理をせず休息をとるように心がけましょう。
また、運動を休止し安静にしても痛みが生じる場合や、良くなってもまたすぐに再発してしまう場合などは、すみやかに専門の医療機関へご相談いただくことをおすすめいたします。
(2014年6月更新)