症状別

腱鞘炎

よく動かす場所だからこそ、早く痛みを和らげたいですね

特にどこかにぶつけたわけでもない、捻ったりもしていないのに動かすと関節が痛いな…

たくさん動かすことが原因で痛みが生じる「腱鞘炎(けんしょうえん)」。痛みを感じた場合、動かさないようにしていれば痛みは和らいでいくのですが、よく動かす場所だからこそ、痛くても動かさないで安静にすることが難しい方がほとんどで、痛みを解消できなかったり悪化させてしまった、と言う方が多いのが現状です。
このページでは、腱鞘炎について原因や対策などをお話したいと思います。

 

1「腱鞘炎」とは
身体の関節には、骨と筋肉を繋げ動かす役割を持つ『』があります。
その『腱』の周囲には『腱鞘(けんしょう)』と呼ばれる、腱が通るパイプのような役割をもつものがあり、この腱鞘を腱が通ることによって関節を動かすことができます。
腱鞘炎」とは関節の動かし過ぎなどが原因で、この「腱鞘」が炎症を起こしてしまう症状です。

2なりやすい箇所や症状について
一般的に手首や指の関節で発症することが多いのですが、肘や足などに痛みを感じる場合もあります。
動かすとだるい・動かしにくい・動かしたときにたまに痛む、などの症状が一過性に起こることから始まりますが、ほうっておくと動かすたびに痛くなったり、ひどい場合は動かさなくても痛むようになります。
また、腱自体の炎症(腱炎)を併発することもあります。
腱鞘炎の中で、指の曲げ伸ばしが難しくなったり曲げたまま伸ばせなくなったりするものを「ばね指」、親指の下の手首周辺が腫れたり痛みを生じるものを「ドケルバン(腱鞘炎)」と呼びます。

3どんな人がなりやすい?
男性よりも女性が発症しやすく、特に育児中の女性やホルモンバランスに不調をきたし易い40代~50代の女性が多く発症すると言われています。
同じ動作を続けることが多い職業(パソコンや筆記用具を使い続ける仕事など)の方にも多く見られます。

4腱鞘炎かな?と思ったら
痛みを感じたら、痛みを感じた箇所をなるべく動かさないようにするのが大切です。
関節部分の腫れぼったさ、動かしたときの痛みが腱鞘炎の主な症状ですが、他の外傷や疾患が原因の場合もありますので、できるだけ早めに専門の医療機関(整形外科、接骨院など)へご相談下さい。

5予防法について
腱鞘炎の原因は主に「動かしすぎること」と言われていますが、疲労の蓄積・血液循環の悪化・ストレス・ホルモンバランスの崩れ・筋力の弱さなども、腱鞘炎を起こしやすい、解消しにくい原因として挙げられます。
男性より筋力が弱く、出産などでホルモンバランスが変化しやすい女性の方がなりやすいのもそのためと考えられます。
腱鞘炎の予防には、
・繰り返し同じ動作をする際には、合間に十分な休息をはさむ
・血液循環を良くし筋力を上げるため運動を心がける
・ストレスを溜め込みすぎないようにする
などが有効です。

 

腱鞘炎はお仕事が原因で発症されることが多いため、安静にしたくてもすることが出来なかったり、動かさなければ良くなるのだろう、という思いから、痛くても放置して結果悪化させてしまうなど、長く痛みに悩む方が多く見られる症状です。

よく動かす場所だからこそ、たかが腱鞘炎と思わず、早期に痛みを解消して毎日を楽しく過ごしたいですね!

(2014年1月更新)