症状別

足首の捻挫

骨折と比べたらたいしたことない? 放置するとけっこう怖いんです

「歩いていて、足首をひねっちゃった…」
「高いところから降りて、足首をぐりっとやっちゃって…」
ちょっとずきずきするけど、まあ大丈夫かな…?そんな風にほうっておいてしまうことはありませんか?

スポーツを長年続けている方の実に9割が一度は経験しているという捻挫。
骨が折れたわけじゃないし『平気平気!』とそのままにして、悪化させてしまうケースも多々あります。

関節を捻挫してしまった時は 損傷箇所を動かさずにいるのが一番なのですが、日常生活を送るにあたって 足首を使わないでいるのはなかなか難しいことですよね。
ですが、よく使う関節だからこそ捻挫をしやすい箇所でもあります。
今回は特に起こりやすい『足首の捻挫』についてお話をしたいと思います。

 

1.足首の仕組み
足首は小さな骨が複数組み合わさって構成されており、その骨同士を靭帯が繋ぎ支えています。
その為、そらしたりぐっと伸ばしたり内側や外側に曲げたりすることが可能です。
骨の構成上、足の裏が内側に向きやすくなっています。

2.起こりやすい『足首の捻挫』
立ったり歩いたりするときに全体重のかかる足首は、スポーツをしているときはもちろん、なだらかな道を歩いているときや立ち上がろうと踏ん張ったときなどにも捻挫をしやすい箇所です。
特に足の裏が内側に向いた状態(内反(ないはん))で地面についた時は足首の捻挫が起こりやすく、最近ではヒールの高い靴などを履いていて足をひねってしまう方も増えています。

3.足首はどんな状態になってしまうのか?
関節を「捻り(ひねり)」「挫く(くじく)」ことで靭帯や関節の軟部組織を損傷することを一般的に「捻挫」と呼んでいますが、主な症状は靭帯の損傷です。
靭帯が一時的に伸びてしまうなど軽度のものから、靭帯断裂などの重度のものまで程度はさまざまです。
軽度の場合は足首も動かすことができ、腫れも少なく痛みも軽いことがほとんどですが、靭帯が部分的、もしくは完全に断裂してしまった場合は、関節が大きく腫れたり内出血を伴う場合や歩くことや関節を動かすことが困難になってしまうこともあります。

4.足首を捻挫してしまったら
足首を捻ってしまった、と感じたら痛みの程度にかかわらず早急に専門家にご相談いただくのが一番ですが、無理に歩いたりせずまずは正しい応急処置をしておくことが回復のために有効です。

ケガをしてしまったら まずは『RICE処置』

Rest
(安静)
すぐに患部を動かすのをやめ、安静にします。
受傷後にすぐ動かすのは損傷箇所の回復を遅らせてしまう原因になります。
Ice
(冷却)
損傷箇所を冷やして、血流を鈍化させます。氷水で冷やすのがベストです。コールドスプレーは冷却時間が短く、損傷がひどいケガにはおすすめできません。また、冷やしすぎて凍傷にならないよう短い時間で繰り返し行なってください。
Compression
(圧迫)
損傷箇所を適度に圧迫することで、内出血や腫れを最小限にとどめます。
包帯やタオルを巻いたりテーピングをして損傷箇所を圧迫しますが、やりすぎて痺れなどが出ていないか確認しながら行なってください。
Elevation
(拳上)
受傷した箇所を心臓よりも高い位置に上げ、腫れや内出血を防ぎます。

 

骨折や脱臼などと比べて軽い怪我と思われがちな捻挫ですが、損傷の程度によっては意外に回復しにくく、再発させてしまうことも多い厄介なものです。
特に足首はついつい歩いてしまったりと安静にするのが難しい為、気付けば慢性化していた…なんてことも。たかが捻挫と侮らず少しでも気になるようでしたら、なるべく早めに専門家にご相談ください。

 

(2013年5月更新)