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症状別

変形性膝関節症

「昔は痛むことなんてなかったのに…」 でも、諦めないで

「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」という名前をご存知でしょうか?
なんだか長い名前で『まれな症状なのかしら…』そんな風に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

この「変形性膝関節症」ですが、なんと膝の痛みの原因の第1位と言われている症状で
どなたでもなる可能性がある症状です。

膝の関節は 大腿骨(太ももの骨)、脛骨(ひざから下の骨)、膝蓋骨(ひざのお皿)の3つの骨から構成されています。
骨の先端は硝子軟骨で覆われてとてもツルツルしており、アイススケートのリンク並みの摩擦係数を持ち合わせ、さらに骨と骨の間には関節液と呼ばれる潤滑油の役割をする液体があるので、硬い骨同士が直接ぶつからず、滑らかな関節の動きができるようになっています。

「変形性膝関節症」は、この硝子軟骨がすり減ってしまうのが主な原因で、症状としては膝のこわばりや痛み、膝を動かしにくくなる、関節の変形などが見られます。
男性より女性に、そして年配の方に多いのが特徴です。

軟骨がすり減ってしまう原因には下記のようなものがあります。

 

1.加齢
はじめは弾力がありつるつるとした軟骨も、年齢を重ねるにつれて弾力が失われてしまうため、どうしてもすり減りやすくなってしまいます。
また、軟骨は一度すり減ると非常に回復しにくいので症状が悪化する傾向にあります。

2.肥満や急な体重増加
膝の関節には歩くだけで体重の約3倍、走るとさらにその倍程度の負担がかかると言われています。
体重が1kg増えただけで膝にかかる負担は3kg増!
肥満気味の人ではそうでない人に比べ、それだけ膝への負担が増えてしまうことになります。

3.筋力低下
膝の周りの筋肉が弱くなってしまうと、必然的に骨への負担が増えてしまい、結果として軟骨へのダメージに繋がります。
男性より女性のほうが筋力が弱いのも、女性にこの症状が多く見られる原因のひとつです。

4.過度のスポーツ
ダッシュやジャンプ、方向転換などの多い激しいスポーツを長年続けていると、関節の同じ方向への負担がかかりやすく軟骨などの組織を痛める原因になることがあります。

5.脚のゆがみ、O脚・X脚
脚の形がゆがんでいる、O脚、X脚である、また足首など他の部位を痛めたり変形しているなどの原因で軟骨への負担が偏り、部分的にすり減ってしまいやすくなります。
脚の歪みが骨盤の歪みさらには背骨の歪みへと進行する例も多いのが特徴です。

このほかにも様々な原因がありますが、膝関節の軟骨はいったん減ってしまうと残念ながら元には戻りません。

痛いから動かない、動かないから体重が増えたり筋力が弱る、それが原因となってますます膝が痛くなる…

そんな悪循環に陥ってしまうのは とてもつらいですね。
症状が出る前に予防するのに越したことはありませんが、痛みなどの症状が出てからも負担のかかりにくい運動や減量など、症状を緩和させたり進行を遅らせることは可能です。
諦めてしまう前に、まずは専門家にご相談ください。

 

(2013年4月更新)