球技につき物の「突き指」。”引っ張って治す”って正しいの?
スポーツ、特に球技をしていて、ボールを受け止めるときなどになってしまいがちな『突き指』。
野球やバレーボール、バスケットボールなどをやっていて突き指になってしまった…
そんな経験をお持ちの方は多いのではないのでしょうか。
よく「突き指したら引っ張って治す」と言われたりもしますが、引っ張ることで怪我をした部位をさらに傷めてしまう事が多く、たかが突き指と軽く考えていると怖い怪我でもあります。
1.腱の損傷
指にも、指を曲げるための筋肉や骨と筋肉を繋ぐ腱、骨同士を繋ぐ靭帯があります。
指を強い力でぶつけてしまったときなどに、腱が部分的に裂傷、または断裂してしまうことがあり、突き指の代表的な症状ともいえます。
腱断裂を起こした際、癒合が悪く手術が必要な例もあります。
2.骨折・亀裂骨折
ちょっとぶつけただけかな? と思っていても、実は指の骨を骨折している場合があります。
骨折にも種類があり、指の骨が縦や横に折れてしまう骨折、不全骨折(ヒビ)が入ってしまう亀裂骨折の他に、指の曲がる掌側にある軟骨(掌側板)を損傷してしまう場合もあります。
3.脱臼
強い力でぶつけてしまい、指がとんでもない方向に曲がってしまった…などの場合は指の骨を脱臼している可能性があります。骨折を併発する事も多いので早期の整復、固定が必要です。
”マレットフィンガー”について
突き指をしたときに、指先(末節骨)が下に落ち込み、自分の力だけでは元のように伸ばせなくなった状態をマレットフィンガーと言います。
槌(ハンマー)のように曲がった形になるため、槌指とも呼ばれています。
マレットフィンガーには骨折によるものと腱の断裂によるものがあり、程度によっては手術が必要な場合もあります。
ベースボールフィンガーやドロップフィンガーなどと呼称されることもありますが放置したままでは永続的に自分の力では指が伸ばせなくなるので受傷後すぐにご相談ください。
ひと口に『突き指』と言っても その症状はさまざまです。
ちょっとぶつけただけだし… などと思い放置していると思うように指を曲げられなくなったり伸ばせなくなったりしてしまうこともあります。
突き指はとにかく早期の処置が肝心です。違和感や痛みを感じましたら無理をせず、すぐに専門家にご相談ください。
(2013年1月更新)